人からの言付かりを受け
頼まれ物を朧げに憶えているお宅へ届けに行った
曖昧ではあるが
大体の場所は憶えている
なんとなくこの辺だった気がする
あ、そうそうココ
ごめんくださーい
はい
…。
ぜんぜん見た事のない人が出てくる
が、確か日中は娘さんが家に居ると聞かされている
その顔の見た事のない娘さんと今まさに対峙している
筈だ
だが、そこは野生の感 ピーンときた
とっさに
〇〇さんの御宅でしょうか?
いえ、
〇〇さんの家はひとつ隣の部落ですよ、
多分留守だと思いますが。
…。
そこは湯灌師ばりの身のこなしで
頼まれ物を見ず知らずの誰かに見せることなく
不自然にくるくる回りながら失礼させて頂いた
今日 ぜんぜん赤の他人の家に香典を届けかけた
追伸 : 野生の感はもう少し早めに発動しようと思う。