急遽動員されたかどうかは わからないが
凄く大きな声で頑張っている
いかにも真面目そうな20代のバイトさん
他のお客さんにお茶を出して
接客中の様なので
しばらく待って
席どこでもいいですか?
と
尋ねてみる
あまり返事は聞きとれなかったが
手振りがどうぞって感じだったんで
とりあえず腰をおろす
しばらくメニューを眺めていると
後ろから
元気のいい大きな声で
かきあげ@*#%#€$しょ!
ん⁉︎
すると
厨房の奥から
オヤジさんが
おいなんかオーダー入ってるぞ確認してこい
と
奥さんを使いにだす
くりかえしましゅ!
かきあげ@*#%#€$しょ!
まじか…
笑ってはいけないのは
重々承知しているが
このやり取りに耐えながら
これから蕎麦をすする自信がない
誰か助けて…
ガラガラガラ
いらっ€※%ましぇ!
おしゅきなしぇきど&※!
そのパターンもあるのか…
とてつもない地雷原に足を踏み入れてしまったようだ
しかも11:30という
次から次へと来店した客がオーダーを出していく
最も危険な時間帯だ
相当数のトラップを交わしながら
鼻への逆流を誘発しないように
そそくさと蕎麦をすする
最後の蕎麦をすすりあげる
まさにその時
奇跡は起こる
かもなんばんいっちょ!
ぉぉおぉぉおおおおお
そこは言えるんだな!
こちらとしても軽く親心が芽生えた頃ではあるが
不思議なもので不意をついてちゃんと言えると
それはそれで笑いを誘う
込み上げてくる蕎麦を吹き出さぬよう必死で耐える
完全に勝負どころである
すると
厨房からは
おいなんかオーダー入ってるぞ 確認してこい
オヤジさん…
反則ですわ…
店を出て
最後の最後にお見舞いされた
鼻の奥の蕎麦をとり除く
今日はいい天気だ